挨拶

DAT番号
1262_1
曲・解説順番号
1
曲名・解説タイトルよみ
アイサツ
解説者
小泉文夫、LA-IAD Herabat(ライアド・ヘラバ)
注記2
解説:(小泉)皆さんようこそおいでくださいました。今日、アジアの伝統音楽を皆さんと一緒に楽しんで行きたいと思います。日本では今までアジアの芸能・音楽が紹介されたことはしばしばありますけれども、従来の芸能の紹介ですと、どうしても華やかな舞台で、美しい衣裳だとか楽しい踊りだとか、あるいは、演劇・お芝居そういう風なものの陰に隠れて、音楽というものが、それほど厳密に注目されないという恨みがありました。西洋の音楽のようにそれ自身が表情豊かであれば、こちらの態度がそれほど積極的でなくても、ひとりでに引きずり込まれてしまうということがあるかも知れませんが、アジアの音楽の場合には大変にデリケートで、こちらがぼんやりしていますと、その本当の美しさを見過ごしてしまう、気が付かないまま終わってしまうという危険が十分にある訳です。何とかこのアジアの音楽の本当の素晴らしさに、皆さんと一緒に突っ込んで聴いてみたいというのが今回の試みです。ですからあまり大きな劇場で華々しくというんじゃなく、普通だったらば、すぐ側で、自分の目の前で、同じ小さな部屋の中で、一緒になって聴くような音楽、そういう音楽を今回中心に集めてあります。そういった音楽は必ずしも、アジアの、東南アジアの国々ばかりでなくもちろん日本の中にもある訳でして、私たちは日常そういうものに親しんではおりますが、今回そういうものも同時に皆さんに聴いて頂きまして、普段、私たちが気が付かなかったような日本音楽の性格も副産物として味わって頂きたいと思います。最初、本日のプログラム、実はAプロとBプロにわかれていますが、本日はAプロです。Aプロというのはタイ国とインドネシアで、どちらかというと、従来紹介されたことのある比較的洗練された芸術音楽、そういう性格のものですが、Bプロの方はそれに反しまして、あまり世の中に紹介された事のない珍しい音楽です。このAプロも第1部、第2部と分かれていまして、第1部はプログラムでご覧の通りタイ国の音楽です。ではタイ国の音楽の研究家で、本日解説をしてくださるライアド・ヘラバさんをご紹介します。ではライアドさんどうぞ。(ライアド)ようこそみなさん。Good afternoon, ladies and gentlemen. First of all, I'd like to take this opportunity to express my deep appreciation to this project of a week of Asian traditional performing arts. I am considering myself lucky to be able to participate in this project. I have widened my knowledge in ethnomusicology of the East. I have come to see and hear the music, actually performed by the native of our people and to obtain the first pandit knowledge from the expert of East of participating countries. And now I should think I can understand, appreciate and enjoy the traditional music of Asia better. And these also strengthened the bond of friendship which has always been existed between our countries. I congratulate the Japan Foundation for the foresight. You all have done the great thing to the arts of music, I mean on the whole. That's very good, you see. And I do wish you would go on to give your further encouragement to this kind of campaign. So, I also should like to take this opportunity to thank all the people concerned in this arrangement. I realize that they have done a good job and they have been to working very hard since launching this campaign. But you have accomplished the fruitful and very smoothly done this project. So congratulations. (小泉)非常に長くお話になりましたので要点だけ申し上げますが、このプロジェクトに参加しまして自分も非常に学ぶところがたくさんあった。特にアジアのそういう音楽を専門家、それぞれの国から専門家をお招きしまして、演奏だけでなく、その国の研究者も一緒に参加して共同研究をやりましたので、自分にも学ぶところが非常にたくさんあった。それから、日本の国際交流基金の方々のこうした努力、それからそれに関係するこの計画を錬られた方々の努力に感謝する。これをきっかけにお互いの理解をどんどん深め、今までの連帯感も、これまでも存在しましたが一層それを深め、続けていくことを希望しています。というそういうご挨拶でした。
分類番号
koizumi33_タイ
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テープ副標題
タイと日本
録音年
1976年4月
注記1
03日(あるいは04日)、国立劇場での録音。ATPA 76。アジア伝統芸能の交流。